≪書籍データ≫
著者:
樹川 さとみ イラスト:
桃栗みかん
発売日:1994/12
定価:¥ 420
ASIN:4086140187
樹川さとみ様の初期のころの作品。
この作品に登場する魔術士は、後の作品の楽園の魔術師になんとなく雰囲気が似てます。
この作品に書けなかった事、もしくはできなかったことを楽園シリーズに書かれたような気がします。
1.サイソルノン
2.怒れる騎士と森の民
3.モースの館
4.歓喜の春
5.水に棲む竜――あるいはゼリクを支配するもの――
6.一本の針
7.王都へ
8.赤い花と夜の黒
9.生と死の子
10.芽生え
11.憂いの王妃
12.ルアルーイー―水の乙女――
13.かがやく旗の波
14.燃える水
15.水の指輪
ちなみに楽園とは違って、かなり暗めのお話です。
一番最初の出だしが面白い作品だなと思いました。
「僕は、女性になりたいのです」
このセリフから物語りは始まります。
一読すると誤解されかねないこのセリフ。
言っているのはアイリという女の子。
古くから続く薬師の照合―ローグを継ぐために男の子にならなければならなかったアイリは、それでも女性としての自分を確かめたくて魔術士サイソルノン=サイのもとへ訪れます。
そのときの一言が、上のセリフ。
前編は、アイリがサイの元を訪れるまでのストーリー。
ただただ、周りに引きずられていくって感じの主人公。
まわりのキャラが濃いせいか、かなりかすみ気味。
現在の話と過去の話を織り交ぜながら進んでいくのはとても味わいがあります。
最後の森の民(ゼリク)であるアイリの自分探しの旅はまだまだこれから。
この先は後編にて
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