≪書籍データ≫
著者:
小野 不由美 イラスト:
山田章博
発売日:1994/07
定価:¥ 683
ASIN:4062551756
上巻は序章から第九章までが掲載。
3人の少女が主人公。
第1作の『月の影 影の海』で慶国の王となった陽子。
海客としてこの世界にやってきた鈴。
そして、芳国の元公主、祥瓊(しょうけい)。
みんなそれぞれに想いを抱えていてすごく身に迫るお話です。
十二国記シリーズは、漢字が読めなくて最初は泣けました
国の名前も、王様の名前も字やらなにやらたくさんあるし・・・
それでも面白くってどんどん読み進められるのが不思議。
しかも、買おう買おうと思ってるのになかなか買えない・・・
今回は図書館で借りました。
十二国記シリーズで一番好きなのがこの『風の万里 黎明の空』です。
一番初めに十二国記を読んだのが主人公たちと同じぐらいの歳だったからだと思います。
身にしみるなぁと思ったシーンがいくつか。
ひとつは、慶へ向かう船の中での鈴と清秀の会話。その中での清秀の一言。
ねえちゃん、自分が好き?
自分のこと、いいやつだって思う?
これがとてもキツイ一言だって思いました、
自分のことが全部好き、嫌いなところなんてないなんていったら、それはただのナルシスト。
でも、ここではそういう意味じゃないです。
これは、自分が好きでもない自分を人に好きになってもらおうだなんて所詮無理なんだよ、という話に繋がる一言。
どうしてかな? 自分で自分のことが嫌になることって結構あると思うんです。
でも、そのときこういう一言いわれたら、すごくきついです。
逆ギレとか起こしそう。
それでも、嫌なら自分で直すしかないんですよね。
しみじみそう思いました。
鈴に大切なことを教えた清秀。
でも、その彼はあっけなく命を落としてしまう。
彼が最後に言ったのは、死ぬのやだな、鈴が泣くから、という一言。
切ないです。
必死に生きてきた少年。病気になって死にたくないって言ってたのに。
でも、彼は病気ではなく、故意的な事故で死んでしまう。
清秀を失った鈴はどうするんでしょうか?
ここで上巻は終わってます。
つづきは下巻で・・・
**追記**
下巻の感想は8/9日に書いています。⇒『
風の万里 黎明の空 下』
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